郷学館とは

文久3（1863）年、國府（平）五郎義胤が関宿藩主 久世広文より命を受け、農兵隊と組織化と農民の教育のための学問所として栃木県都賀群瑞穂村大字横堀に「郷学館」を開設しました。

関八州から流派を問わず1,500名を超える弟子達が集い、研鑽したと記録に残っております。

義胤は明治2年より、明治新政府より請われて行政官となり、東北へ出仕するため、郷学館を閉校します。江刺県（明治初期に現在の岩手県東部・北西部と秋田県の北東部にあった行政区)の大惨事や山形県の小惨事として国事に奔走しますが、赴任地では凶作で人民が飢渇に陥ったのを救うため、政府の指示を待たずに官庫を開き救助したため、職を免ぜられました。

職を辞した後は、故郷、栃木県都賀群瑞穂村大字横堀へ戻り、明治11(1878)年に変則中学として「東野学舎」を開きます。
「東野学舎」も大いに栄え「分校十余ヶ所生徒千余人」（『下都賀郡志』）とまでになりました。
近代教育の黎明期には、多様な教育機関が混在しており、変則中学とは、正式な学校設備が間に合わない中、設備や教科書などを独自に整え一定水準以上の教育を行う私立教育機関の一種であり、単なる私塾ではなく、高い水準の教育を行っており、この学校から地域を支える人材が輩出されています。

また後年は、教育者としてだけでなく政治家や医者として尽力し、近代日本において不治の病として忌み嫌われてきたハンセン病の治療を行います。義胤の生涯は常に、困窮する民衆のために尽力するという信念に貫かれていました。

こうした国府五郎義胤の精神と剣流を今に伝えるのが郷学館です。

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